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ただ春の夜の夢のごとし

jokaibon
  • ジョウカイボン | 浄海坊 | Soldier Beetle
  • 縦に細長くかわいくもありかっこよくもあるジョウカイボン。図鑑にはどこにでもいる虫と書いてありますが、姿を見たことは1度しかありません。しかし、たった1回の出会いでこの虫の魅力に取りつかれてしまいました。
    マクロで撮影しているので分かりづらいですが、指先ほどの大きさの小さい虫で、全体的な色合いのバランスがよく、特にふ節(体側から見て三番目の節)がくつ下を履かされているみたいに見えてかわいいです。
    昆虫の体のむき出しの機能美が好きでよく写真を撮りますが、時に気持ち悪く見えてしまう場合があります。でもジョウカイボンは名前も含めて、昆虫が苦手な人にも受け入れられやすい虫ではないでしょうか。

    名前の由来はよく分かっていないそうですが、「浄海」というお坊さんに関係があるのではないかと考えられています。浄海とは平安時代末期に活躍した平清盛の戒名であり、平清盛がジョウカイボンとどのような関係があったのか、当時に思いを馳せると様々な想像と妄想が溢れ出てきてしまいます。
    ジョウカイボンはどことなくカミキリムシに似た雰囲気を持っていますが、カミキリムシが生物学上の分類でコウチュウ目|カブトムシ亜科|ハムシ上科に分類されるのに対して、ジョウカイボンはコウチュウ目|カブトムシ亜科|ホタル上科に分類され、カミキリムシよりもホタルに近い種類になります。
    同じホタル上科に分類される源氏が名前の由来となっているゲンジボタルと、浄海が名前の由来とされるジョウカイボン。何か不思議な縁を感じます。また、歴史を生きた当時の人たちと時を超えて同じ虫を眺めているという事実、人も虫も世代を超えて命が続いていくことは当たり前のように感じますが、もしかしたらとても確率の低いすごいことだったりするのかもしれません。

    平家物語の詠い出しはあまりにも有名ですが、千年後の子供たちが私たちと同じようにジョウカイボンを見てかわいい!かっこいい!と感動できるようにするためには、風の前の塵と化す前におごれる種族のあり方を見つめ直していかなければいけません。

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    おなかについているベルトのようなものは何でしょうか?
    もしバッタに変身するためのものであるのだとしたら、ジョウカイボンのことをさらに好きになってしまいそうです

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