数は力
イナゴと聞くと田んぼの風景と佃煮が連想される人が多いと思いますが、そのイナゴがまさにこれです。ハネナガイナゴともう1種、コバネイナゴというよく似た種類のイナゴがいて、主にこの2種が田んぼでイネを食べ、そして人に佃煮にして食べられているイナゴです(この2種以外にもイナゴには色々な種類がいますが)。
個人的な話を少々、、、私は幼少期を過ごした長野で稲作の手伝いをしていて、毎年稲刈りの時期には刈り取ったイネにイナゴがたくさんついていました。そのイナゴたちは捕獲され、排泄物が出なくなるまで放置された後に母親が佃煮にして夕食に出てくるというところまでが我が家の稲刈り体験で、おいしいと言いながら佃煮を食べる家族を尻目に幼かった私は最後まで見た目を受け入れることができないまま、今に至ります。軽いトラウマです。
長野県は海がないので貴重なたんぱく源として食虫文化があり、イナゴの佃煮の他にハチの子も有名です(こちらは当時は大丈夫でしたが、今は無理かもしれません)。
イナゴと言えばもうひとつ、大量に発生してイネなどの作物を食い荒らしてしまうイナゴの害も有名です。近年は農薬や管理技術の発達により、日本国内でイナゴやバッタが大量発生し作物に被害を与えることは少なくなりましたが、海外でバッタが大量発生しているニュースを時折目にすることがあります。そう、蝗害(こうがい)です。
日本人の感覚ではイナゴの害=蝗害とイメージする方が多いと思いますが、蝗害(こうがい)は規模が全く異なり、日本は地理的に狭いので蝗害(こうがい)と呼ばれるほどの規模の食害は起きないと考えられています。そして、原因となるバッタもイナゴではなくトノサマバッタやトビバッタが中心となります。
空を覆うほどのバッタの大群は想像を絶しますが、個人的には特定の生物が大量発生することは自然がバランスを取るためだと考えているので、こういったことを通じて自然との調和を保つことの大切さを知らされているのかもしれません。